自社サイトを作ると、ポータルをやめるべきかと聞かれます。やめない方がいい、というのが今のところの答えです。
ポータルは駅前の一等地で、いま人が歩いているのはそこです。ただ、そこで気に入られた人が次にやることは、名前で検索することです。その受け皿がないと、せっかく指名しかけていた人が、また比較の列に戻ってしまう。
この記事では、お客さんが最初に知ってから予約するまでの動きを図にして、ポータル・SNS・自社サイトがそれぞれどこを担当するのかを整理します。プロフィール欄からサイトへどう繋ぐかという、細かい話も入れました。
動きを1本の線にする
まず、予約に至るまでの流れを分解します。
①知る → ②比べる → ③確かめる → ④予約する → ⑤また来る
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
ポータル ポータル 自社サイト 自社サイト LINE
X X (指名検索) ポータル X
多くの店が、①から④まで全部ポータルに任せています。それでも回るのですが、③のところに穴があります。
②で気になった人は、必ず一度、店名か源氏名で検索します。 ここで何も出てこないか、出てくるのがポータル内の同じページだけだと、その人は「もう少し他も見てみるか」と、また②に戻ります。比較の列に、自分から並び直しに行くことになります。
自社サイトの仕事は、①でも②でもありません。③を止めることです。
それぞれが強いところ、弱いところ
ポータル
強い
- 何もしなくても人が来る。母数が桁違い
- 業界に慣れていない新規客の入口として、今も最強
- 掲載していること自体が、ある種の信用になる
弱い
- 掲載順は、課金と運営の判断で決まる。努力が反映されにくい
- 同じ画面に競合が並ぶ。常に比較されている
- 書ける文字数、載せられる写真の枚数に制限がある
- 退去すると、写真も文章も口コミも持ち出せない
自社サイト
強い
- 順位も見せ方も、全部こちらで決められる
- 情報量に制限がない。世界観をそのまま出せる
- 指名検索を確実に受け止められる
- 積み上がる。1年運用すれば1年分の資産になる
弱い
- 立ち上げ直後は、誰も来ない
- 自分で更新しないと止まる
- 新規客の入口としては、ポータルに勝てない
SNS(Xなど)
強い
- 人柄が出る。予約前の不安を溶かすのはここ
- 更新の反応が速い。当日の空き枠を埋めるのに向く
- 常連との距離を保てる
弱い
- 流れて消える。3日前の投稿は誰も見ていない
- アカウント停止のリスクが常にある
3つとも性格が違います。だから、どれかを選ぶ話ではなく、どこを誰に担当させるかという話になります。
導線を、具体的にどう引くか
ポータル → 自社サイト
いちばん詰まるところです。多くのポータルは、プロフィール欄への外部リンク掲載を規約で禁止しています。URLを直接書けば消されるか、警告が来ます。
なので、リンクを貼るのではなく、検索してもらう設計にします。
1. 店名を、検索しやすい名前にする これは開業前にしか決められない話ですが、大事なので書いておきます。一般名詞に近い店名(「癒し」「ラフィネ」など)は、検索しても自分のサイトが出ません。造語か、他とかぶらない綴りにしておくと、後がずっと楽になります。
2. プロフィール文の最後に、検索を促す一文を置く 「〇〇〇〇(店名)で検索していただくと、公式サイトでコンセプトや個室の写真をご覧いただけます」
URLではないので、規約に触れにくい。そのうえで、指名検索を能動的に発生させられます。実際、この一文を足すだけでサーチコンソールの店名クエリが伸びます。
3. 写真の中に、店名のロゴを小さく入れる 画像に権利表記のように入れておくと、覚えてもらえます。やりすぎると邪魔になるので、隅に小さく。
4. Xのプロフィール欄にURLを置く ポータルからXへ、XからサイトへというルートはSNS側の規約に触れません。ポータルのプロフィールにXのアカウント名を書けるケースは多いので、Xを中継地点にします。
自社サイト → 予約
ここは迷わせないことが全てです。
- 画面の下に、常時出る予約ボタンを置く。スクロールしてもついてくるやつです。スマホからの予約はこれの有無で変わります
- 選択肢を3つ以内に。LINE、フォーム、電話。4つ以上並ぶと選べなくなります
- ポータル経由の予約ボタンも残しておく。ポータルのポイントを貯めている常連がいます。切らないでください
自社サイト → 再訪
予約が入ったら終わりではありません。次に繋ぐ導線を1本引きます。
- 予約完了後の画面、または返信メッセージに、公式LINEの案内を1行
- LINEに入った人には、空き枠と新人の入店だけを流す。売り込みは要らない
- サイトのブログは、常連が読むものだと割り切る。検索対策とは分けて考える
効いているかを、どう測るか
感覚ではなく、数字で確認できます。見るのは1つだけです。
Google Search Console の「クエリ」で、店名の検索回数を見てください。
これが月ごとに増えていれば、ポータルからの導線が効いています。増えていなければ、プロフィール文の書き方か、店名そのものに原因があります。
もうひとつ、アナリティクスで**「直接アクセス(Direct)」の推移**を見ます。これは、URLを直接打ったか、ブックマークから来た人です。ここが増えていれば、リピーターがサイトを覚えてくれている証拠です。
どちらも無料で、設定は一度きりです。まだ入れていない方は、SEOの初期設定の記事に登録手順を書きました。
よくある間違い
サイトを作ったからポータルを解約する 新規の入口を失って、売上が落ちます。自社サイトが新規客を連れてくるまでには、早くて半年かかります。両方持てるようになってから考える話です。
ポータルと同じ文章をサイトに貼る コピーになるので、検索エンジンからの評価が伸びません。それ以上に、もったいない。ポータルでは文字数制限で書けなかったことを書ける場所が、やっと手に入ったところなのに。
サイトに新規客向けの情報しか置かない 指名検索で来る人は、もう半分決めています。その人が知りたいのは、コンセプトではなく、今日空いているか、どのコースにするか、どこにあるかです。トップページの上のほうに、その3つを置いてください。
更新しないまま放置する 最終更新が半年前のサイトは、営業しているかどうかを疑われます。ブログを毎日書く必要はありませんが、出勤情報とセラピスト一覧だけは、常に正しい状態にしておく。ここが古いと、他が全部よくても信用を落とします。
まとめると
- ポータルは、新規を連れてくる。切らない
- SNSは、人柄を伝えて、当日の枠を埋める
- 自社サイトは、指名検索を止めて、予約まで運ぶ
- LINEは、もう一度来てもらう
穴が空いているのは、たいてい3番目です。そして3番目は、他人のプラットフォームでは埋められません。
自社サイトを作ると決めたら、最初にやることは制作の依頼ではなく、サーバーの規約確認です。ここを間違えると、完成後に消えます。
指名検索で自分のサイトを1位に出すには、タイトル設計とサーチコンソールの設定が要ります。その日のうちに終わる作業です。
作る側を探しているなら、買い切り40,000円のホームページ制作をご覧ください。月額はかかりません。相談だけで終わって構いません。
