こんにちは、ゆえです。
先日こんなツイートをしました。
ミ●ンとか化粧品メーカーがゴリ押ししている、天然保湿因子(NMF)についてリサーチしてるのですが、全く文献が出てこない・・・。メーカーはどこで調べているんだろう🤪🤔🤪
面白そうなのでがっつり調査します。— ゆえ (@yue_ooo000ooo) July 5, 2020
ミノンとか化粧品メーカーがゴリ押ししている、天然保湿因子(NMF)についてリサーチしてるのですが、全く文献が出てこない・・・。メーカーはどこで調べているんだろう🤪🤔🤪
面白そうなのでがっつり調査します。
この記事では、天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)について書いています。
このような悩みを持った方におすすめ!
ネットに散らばっている情報をまとめつつ、科学的根拠があるものも紹介していきたいと思います!
それではしばしお付き合いください。
天然保湿因子NMFはアトピーやニキビ治療に効果的なのか?アミノ酸でスキンケア
化粧品メーカーがNMF専用の化粧品を最近売り出しているとか。
NMF(天然保湿因子)とは?
肌が作り出す天然の保湿成分の事です。
肌の角質細胞の中に存在し、肌の水分を保つ役割があります。
肌の角質細胞の中には、水分を貯めておく袋のようなものがあり、その袋の中にNMFが入っています。
人間にもともと備わっている保湿機能です。
NMF(天然保湿因子)は何で出来ているの?
- アミノ酸
- PCA(アミノ酸由来の保湿成分)
- その他もろもろ
つまり「ほぼアミノ酸」です。
NMFは外部刺激に弱い
NMFが入っている肌の中の袋はとても弱い材料で出来ています。
外部の刺激、つまり日焼けや乾燥など肌にストレスがかかると壊れてしまいます。
外的ストレスを減らす為に、日焼け止めや保湿が重要と言われています。
NMF(天然保湿因子)が注目された理由
美肌やスキンケアに興味がある人が流行らせたというよりは、アトピーに悩んでいる方を中心に認知度が上がっている気がします。
その後化粧品メーカーが新商品の売り文句として広めた感じ。
現在ではTwitterやYOUTUBEで個人の方がNMFについて発信しています。
NMF(天然保湿因子)の中身は?
天然保湿因子を作る材料でフィラグリンというタンパク質があります。
肌の角質の中でフィラグリンが分解され、天然保湿因子に変化し、保湿の役割になるという事。
フィラグリンは皮膚のバリア機能の役割を担うタンパク質で、このフィラグリンが少ないと、肌にかゆみを感じます。
2015年の京都大学皮膚科の研究によると、フィラグリンを作る遺伝子に異常があると、アトピー性皮膚炎になるそうです。
出典:バリア機能と皮膚免疫
仕組みは研究されているのですが、「肌にNMF成分を塗ったら効果があるのか?」を研究した論文は見当たりませんでした。
なので、まだNMF関連の化粧品が有意なのかは不明です。
それなのですが、色んな化粧品メーカーやyoutuberは「NMF成分の入った化粧品を使うと美肌になる!」と発信しています。
この記事を書いている2020年7月時点でわかる事は、外部から塗布して浸透する成分は、ステロイドか四塩化炭素のみです。
ほとんどが皮膚科で処方されるような薬で、NMF、つまりアミノ酸は肌に塗っても浸透しません。
ちなみに四塩化炭素は有毒ガスです。
関連記事:
>>ベビーオイル洗顔はニキビや肌荒れに効果があるのか?Twitterで人気のスキンケアについて
NMF化粧品を推奨している方の主張まとめ
先に書いた内容との相違点などご確認ください。
保湿について
肌には角質の中に水分を保持する機能が3つある。
- 天然保湿因子(NMF)
- 細胞間脂質(セラミド)
- 皮脂膜
これらが外部からの刺激を守る機能を持っている。
バリア機能を強くするためには保湿が不可欠である。
特にNMFが重要で、肌の水分を保持するためにはアミノ酸を使っている。
アミノ酸は、美肌の元となる重要な成分です。
天然保湿因子(NMF)とは
肌の角質層で、表皮の一番上の部分に存在しているものであり、人間にもともも備わっている保湿機能のこと。
美容界隈でも認知度が低いので、専用のスキンケアアイテムが少ない。
フィラグリンというタンパク質が、NMFの材料となっている。
肌のバリア機能というと、セラミドを想像する方もいるが、セラミドはNMFを囲うような成分で、また別物。
レンガの塀をイメージしてください。レンガが天然保湿因子(NMF)だとすると、レンガとレンガの隙間に流し込むセメントがセラミドです。
天然保湿因子(NMF)を補充する方法
NMFを構成している成分は
- アミノ酸:約40%
- ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA):約12%
- 乳酸:約12%
- 尿素:約7%
などで、これらの補充で美肌を目指します。
ただ、アミノ酸は種類が多すぎてサプリや化粧品で補うのは困難である。
アミノ酸って、グリシンとかアラニンとかイソロイシンなどなど、中学高校の生物の授業とかでやったやつです。
つまり、アトピーやニキビの改善を目標とするならば、PCAが入っているスキンケアアイテムを選ぼう。
美容アカウントかおすすめしているNMFのスキンケアアイテム
美容アカウントがおすすめしている化粧品を紹介しておきます。
Mマークアミノ酸浸透ジェル
これは成分表を見ると、アミノ酸・PCA-Na、ヒアルロン酸などが入っているようです。
ミノンアミノモイスト
11種類のアミノ酸配合!が謳い文句になっています。美容アカウントが推しているPCAは配合されていないようです。
ケアセラAPセラミドプラス
これもいろんなyoutuberがおすすめしてました、もはやNMFと関係無い気がするのですが、細胞間脂質(セラミド)の補充がコンセプトのスキンケアアイテムです。
一旦NMFの情報を整理します
論文で証明されているもの
- NMF(天然保湿因子)という、人間にはもともと保湿機能がある
- NMFはアミノ酸由来の成分でできている
- 外部の刺激(紫外線)に弱い
- フィラグリンというタンパク質が関係している
- フィラグリンが少ない事で肌に痒みを感じ、遺伝子に異常があるとアトピーになる
- 2020年7月時点で、肌に塗って浸透する成分はステロイドと四塩化炭素
- 世界最高峰の皮膚の研究機関(AAD)によると、スキンケアに効果的なのは、保湿(オイルやワセリン)・日焼け止め・レチノールのみ
- 肌の健康維持には食事(タンパク質とアミノ酸)、水分、睡眠、運動
証明されていないが美容アカが主張しているもの
- アミノ酸やPCA-Na配合のスキンケアアイテムを使おう(肌に塗ろう)
- アトピーの改善にはPCA-Na配合の化粧品を使おう
証明されていないものに関してはとてもシンプルな理由で、肌に塗っても浸透しない成分である事と、アトピーの改善にはフィラグリンタンパク質の補充とステロイド治療(つまり処方薬)が望ましいので矛盾しています。
美容アカウントへの理解と主観
NMFを補充する方法として
- 乳酸
- 尿素
この2つもあったのですが、乳酸は肌に塗ると溶ける(ピーリング)ので微妙なのと、尿素もタンパク質を分解する力があるので、顔のスキンケアにはどうなのかな?というもの。
しかし、実際に「この化粧品を使って綺麗になった!」とyoutubeで顔出しで発信している人もいるので(実際に綺麗)、あくまで研究で証明はされていないが、実体験としてうまくいっている人を参考にするのは良いかと思います。
スキンケアアイテムに何を使用するのかは個人の自由ですので、ご自身が納得するものを選ぶといいと思います。