アジアンリラクゼーションヴィラの求人票の月給23万円を、平日の23時にひとりで眺めていた話

格安メンエス

平日の23時、湯船から上がってスマホを見たら、なぜか「アジアンリラクゼーションヴィラ 給料」と打ち込んでいました。

応募する気はありません。会社員を6年やって、今の仕事に大きな不満もない。ただ、ふとした瞬間に他人の業界の給与体系を調べたくなることが、私には年に数回ある。たぶん、自分の働き方の輪郭を、外側からなぞりたいんだと思います。我ながらめんどくさい人間だ。

最初に出てきた数字は、未経験1年目で月給20万円台前半から中盤、というものでした。
求人によっては23万円スタート、勤務実績が安定してくると26万円前後、上振れで30万円という記載もある。口コミ系のサイトには平均年収291万円というデータも置いてありました。

数字って、並べると勝手に意味を持ち始めてしまう。
私の手取りと並べたら何かわかるのか、と一瞬考えて、別に何もわからないなと我に返りました。

それでも読み進めてしまったのは、内訳の話がおもしろかったからです。月給の額面だけ見て「高い」「低い」と言うのは、たぶん一番危ない読み方で、基本給、固定残業代、歩合、指名料、賞与、ここを分解しないと比較にならない。これは業界が違っても同じで、私が今の会社で受け取っている給与明細にも、ぼんやり眺めているだけの内訳がいくつもあります。

雇用形態の章で、少し手が止まりました。

正社員は固定給と社会保険があって、生活設計が立てやすい代わりに、シフト拘束や店舗業務も背負う。業務委託は歩合中心で、指名が増えれば正社員以上に届く可能性がある代わりに、閑散期の落ち込みや社会保険の自己負担を引き受ける。パート・アルバイトは時間調整がしやすい代わりに、年収は伸びにくい。

ここに優劣はなくて、何を引き受けるかの選び方の違いなんですよね。
私は今、固定給の安心と引き換えに、評価のスピードが遅いことを引き受けている。それは選んだ結果なので、文句を言う筋合いではない。

少し脱線します。
学生時代に飲食のバイトをしていたとき、深夜帯の時給が一番高くて、シフトを取り合うようにして入っていました。当時は「自由に稼げる」と思っていたけど、振り返るとあれは、生活リズムを差し出して時給を買っていただけだった。自由度と安定はだいたいトレードオフで、どちらかをタダで手に入れたつもりになっているときが、いちばん損をしている気がします。

研修の章で、好きなフレーズがありました。
「未経験OKと、簡単に一人前になれることは別です」。

これは本当にそう。
未経験歓迎という言葉は、入口を広げる宣伝であって、出口を保証する約束ではない。研修期間、研修中の給与、デビュー基準、配属後のフォロー、ここまで分解して見ないと、入口の広さに騙される。私の会社にも「ポテンシャル採用」という言葉があって、入ってから「ポテンシャルって便利な言葉だな」と何度か思ったことがあります。

口コミの読み方の章は、もっと刺さりました。
2ちゃんねる系の掲示板やSNSは、満足している人より不満のある人のほうが書き込みやすい。だからネガティブに引っ張られやすい。投稿時期が古いと、現在の制度と違うこともある。だから匿名情報は「そういうケースもある」として置いて、求人票や面接の説明と並べる。

これ、求人に限らず人間関係でも同じだなと思いました。
誰かについての又聞きを、そのまま事実として持ち歩いてしまうと、目の前の人を見る目がにごる。私はわりとこれをやってしまうタイプなので、気をつけたい。観察として置く、という距離感が好きです。

運営会社の章で、もう一段冷静になりました。
アジアンリラクゼーションヴィラはブランド名で、実際の求人は株式会社や合同会社など店舗ごとの運営会社から出ていることがある。だから「ヴィラだから安心」とひとくくりにできない。会社概要、設立年、店舗数、代表メッセージ、ここを見て、給与体系も評価制度も運営会社ごとに差があることを前提に読む。

ブランドへの信頼と、運営会社への信頼を分けて見る視点。
これは私が普段、企業のIR資料を読むときの感覚に近くて、少し親しみがわきました。

エリア別の話になると、いよいよ自分の生活と重なってきます。
都市部は月給が高めに見えても、家賃と生活費でだいたい相殺される。地方は固定給が控えめでも、通勤負担が軽くて手取り感がよくなることがある。駅近店舗と郊外店舗で、客層も来店数も歩合の付き方も違う。

ここを読んでいて、私が今の住まいを選んだ理由を思い出しました。
家賃を1万円下げる代わりに通勤時間が15分伸びる物件と、通勤10分で家賃が1万円高い物件で、後者を選んだ。あのときの判断は、たぶん間違っていなかった。立ち仕事ではないけれど、体力を仕事に回せるかどうかは、職種にかかわらず効いてくる。

給料を上げる方法の章は、シンプルで、だからこそ重かったです。

指名を増やす。技術を磨く。対応メニューを増やす。「またこの人にお願いしたい」と思ってもらえる体験を作る。クレームを出さない。遅刻欠勤を減らす。後輩フォローや清掃のような、店舗全体への貢献も見られている。

書き出すと当たり前のことばかりで、当たり前のことを当たり前にやり続けられる人が伸びる、というだけの話でした。
私の会社で評価されている先輩を一人思い浮かべて、たしかにこの順番だなと思いました。技術が突出しているわけではなくて、もう一度頼みたいと思われる人。捌くのではなく、覚えられる人。

ここまで読んで、結局私は応募しないし、今の仕事も辞めません。
ただ、自分の働き方を「選んだ結果」として引き受け直すのに、他人の業界の求人票はけっこう役に立つ、ということがわかりました。

承認欲求が強めの自覚はあります。
だから、こういう読み方ができる自分のことを、たぶん少し褒めたくてここに書いている。それも込みで、独り言として置いておきます。

明日の出社時間は、いつも通りです。

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