失敗しない為の離婚準備マニュアル【子持ち女性向け】

女性にとって、離婚は非常に重大な決断です。しかし、時には、夫婦関係を維持することができず、離婚を決意することがあります。

特に子どもがいる場合、母親は子供の幸福を最優先に考え、慎重に行動することが必要です。そこで、今回は全ての女性に向けた離婚マニュアルを作成しました。

このマニュアルには、離婚に関する手続き・情報をまとめています。具体的に、法的手続きや養育費の算定方法、子供にとっての最善の利益を考慮した親権の取り方、さらに、離婚後に直面する問題や課題についても触れています。

このマニュアルを通じて、離婚において失敗しないための情報を提供することで、女性がより良い未来を築くためのサポートをしたいと考えています。

目次

離婚の種類

離婚には協議離婚・調停離婚・離婚裁判の3つがあります。

  • 協議離婚:夫婦間で話し合いを行い、合意に達した上で離婚する方法
  • 調停離婚:夫婦間で合意に達せず、調停委員による仲裁を受けて離婚する方法
  • 離婚裁判:裁判所による判決を受けて離婚する方法

協議離婚について

協議離婚とは、夫婦間で話し合いを行い、合意に達した上で離婚する方法です。夫婦間での話し合いには、弁護士の立ち会いがある場合とない場合があります。

メリット

協議離婚のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

費用が安い

協議離婚は、裁判所による離婚裁判と比べて費用が安くなります。弁護士費用(依頼した場合のみ)や裁判費用などがかからないため、負担が軽くなることがあります。

また、後々トラブルにならない様に公正証書の作成をおすすめします。

離婚後の関係が良好に保たれやすい

協議離婚は、夫婦間で話し合いを行うため、離婚後の関係が良好に保たれやすいとされています。特に、子供がいる場合には、親同士の信頼関係を維持することが大切です。

デメリット

一方で、協議離婚には以下のようなデメリットがあります。

合意が得られない場合、調停や裁判に進む必要がある

協議離婚は、夫婦間で合意が得られない場合、調停や裁判に進む必要があります。そのため、合意が得られなかった場合には、予期せぬ費用や時間がかかることがあります。

弁護士の立ち会いがない場合、不利な条件をのまされる可能性がある

協議離婚において、弁護士の立ち会いがない場合、不利な条件をのまされる可能性があります。そのため、弁護士の立ち会いを推奨する声もあります。

協議離婚;要約

協議離婚は、夫婦間で話し合いを行い、合意に達した上で離婚する方法です。費用が安く、離婚後の関係が良好に保たれやすいというメリットがありますが、合意が得られない場合や不利な条件をのまされる可能性があることにも注意が必要です。

言った、言わないを防ぐために、公証人に公正証書の作成を依頼することをおすすめします。公正証書とは、書類の正当性を証明するものです。

ご自身で公証人に依頼することもできますが、行政書士や弁護士を介して依頼するケースが一般的です。

公正証書は、裁判所での証拠として認められるため、裁判での争いを防止することができます。また、公正証書には、証明のための調査や書類の提出が必要なため、公正な手続きによる紛争解決に貢献することができます。

内容によって作成料金が異なりますが、一般的には数万円程度かかることがあります。公正証書の作成には、書類の提出や手続きなどが必要なため、早めに手続きを開始することが重要です。

調停離婚について

調停離婚は、夫婦間で話し合いがまとまらなかった場合、裁判所の調停委員が夫婦間の問題を仲裁する方法です。調停委員は、夫婦間の話し合いを行い、合意が得られるように導いていきます。

メリット

調停離婚のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

不利な条件をのまされる可能性が低い

調停委員が仲裁するため、弁護士の立ち会いがなくても、不利な条件をのまされる可能性が低いとされています。

合意が得られる場合が多い

調停委員が夫婦間の話し合いを導くため、合意が得られる場合が多いとされています。

デメリット

一方で、調停離婚には以下のようなデメリットがあります。

費用がかかる

調停離婚には、調停に係わる諸費用がかかるため、協議離婚よりも費用が高くなることがあります。

諸費用といっても、裁判所との書面のやりとりに使用する切手代や収入印紙が約1万円前後です。また弁護士を雇うのであれば、20万〜100万円前後の費用がかかるでしょう。

切手代については自治体により金額が違うため、詳しくは申立先の裁判所にお問い合わせ下さい。

また、調停は平日の日中に開催されますので、仕事を休む必要が出てきます。欠勤や有給の利用も検討課題です。

時間がかかる

調停離婚は、調停委員のスケジュールに合わせて話し合いが行われるため、時間がかかることがあります。

調停委員のスケジュールと、自分たちのスケジュールが合わない場合は、1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースになってしまいます。

調停が長期化する理由のひとつにスケジュール調整の問題があります。

調停離婚;要約

調停離婚は、夫婦間で話し合いがまとまらない場合、裁判所の調停委員が夫婦間の問題を仲裁する方法です。不利な条件をのまされる可能性が低く、合意が得られる場合が多いとされていますが、費用がかかったり、時間がかかったりすることにも注意が必要です。

なお、離婚届を提出する必要はなく、調停で合意が得られた時点で離婚成立となります。

離婚裁判について

離婚裁判は、裁判所による判決を受けて離婚する方法です。離婚裁判には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

離婚裁判のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

弁護士が代理人として立てる

離婚裁判においては、弁護士が代理人として立てることができます。弁護士が代理人として立つことで、法的な知識や経験を持った専門家が裁判に参加することができ、裁判の結果に影響を与えることができます。

相手方の弁護士との交渉が可能

離婚裁判においては、相手方の弁護士との交渉が可能です。交渉を行うことで、裁判によって争われることがなくなる場合があり、費用や時間の節約につながることがあります。

結果がはっきりと出る

双方の歩み寄りによって合意を図る調停とは違い、裁判の場合、裁判所の判決によって白黒の結果がはっきりでます。

デメリット

一方で、離婚裁判には以下のようなデメリットがあります。

費用がかかる

離婚裁判には、裁判費用や弁護士費用などがかかるため、費用が高くなることがあります。また、裁判の結果、負担金や養育費などが発生することもあります。

裁判所への手数料については、訴訟の目的価額や自治体によって異なるため、申立先の裁判所へご確認下さい。

バレる可能性がある

離婚裁判は公に行われるため、傍聴人に知り合いがいる場合、その知り合いにバレる可能性があります。

また、裁判所の判決は公開されるため、裁判後もその内容が知られる可能性があります。この点については、注意が必要です。

そのため、離婚裁判においては、個人情報やプライバシーに関わる内容を公開しないようにすることが大切です。また、弁護士を通じて裁判所に対して公開しないように依頼することも可能です。

ただし、裁判所は公正中立の立場に立ち、公開の原則を尊重するため、個人情報やプライバシーに関わる内容であっても、公開することが必要な場合があります。

離婚後の関係が悪化する可能性がある

離婚裁判によって、夫婦間の関係が悪化する可能性があります。特に、子供がいる場合には、親同士の関係が悪化することで、子供に影響を与えることがあります。

離婚裁判;要約

離婚裁判のメリットとしては、弁護士の代理人としての立場や相手方の弁護士との交渉が可能な点が挙げられます。しかし、費用がかかることや裁判後の関係悪化の可能性、個人情報やプライバシーに関わる内容が公開される可能性がある点など、デメリットも存在します。

そのため、離婚裁判を行う際は、十分な情報収集や検討を行い、状況に応じた方法を選択することが必要です。

お金の問題を知る

離婚にはお金の問題がつきものです。これは離婚後の生活を左右する大切な項目です。焦らず確実にやるべき事をやりましょう。

離婚成立(別居中の)までの生活費

以下に、別居から離婚成立までに必要な最低限の生活費について記載します。

住居費

別居後、別々に住む場合は、新しい住居費が必要になります。また、共同で住んでいた場合は、どちらかが住み続ける場合もあります。いずれにせよ、住居費は必要不可欠な費用です。

新しい住居として、賃貸を探すことも一つの選択肢です。ただし、賃貸には敷金や礼金、引っ越し代などの費用がかかるため、費用面での負担が大きくなる可能性があります。また、新しい場所に適応するために時間がかかることも考えられます。

もう一つの選択肢として、実家に戻ることもあります。実家に戻れば、住居費を節約することができますが、家族との関係性が変化するため、十分に検討する必要があります。

光熱費

電気代、ガス代、水道代などが含まれます。離婚後に新しい住居を探す場合、新しい住居に必要な光熱費を計算して、生活費の見積もりに加えておく必要があります。

また現在の住まいの光熱費をどちらが払っているかも重要です。あなたの口座からの引き落としで、あなたが出て行く側であれば、新しい住まいの光熱費に加算して支払う事になります。

食費

普段の生活に必要な食材や日用品を計算して、必要な金額を把握しておく必要があります。ただし、離婚後は一人暮らし(子連れであれば二人)になるため、食費の節約を考えることも重要です。

例えば、安いスーパーでの買い物や、外食を控えることで、食費を抑えることができます。また、冷凍食品やレトルト食品を活用することも一つの方法ですが、栄養バランスには十分に気を付けるようにしましょう。

婚姻費用請求

夫婦が別居していて、婚姻費用(夫婦や子どもの生活費など)の分担について話し合いがまとまらない場合や話ができない場合、家庭裁判所に婚姻費用請求の調停や審判を申し立てることができます。

調停手続では、夫婦の資産、収入、支出などについて話し合い、解決案を提示したり、必要な助言をしたりします。

婚姻費用には、衣食住の費用のほか、出産費、医療費、子どもの養育費、教育費、交際費などが含まれます。

婚姻費用の分担額は、調停で話し合い、双方の資産、収入、支出、子どもの有無、子どもの年齢などを考慮します。

調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続が開始されます。裁判官は、一切の事情を考慮して審判を行います。

婚姻費用の分担については、当事者同士の話し合いが望ましいですが、まとまらない場合には適切な手続きを利用することで解決することができます。

なお、婚姻費用の金額については、標準算定方式・算定表を参考に決定します。

財産分与のルール

離婚においては、財産分与が必要となります。財産分与とは、夫婦が共同で所有する財産を分けることです。財産分与の目的は、離婚によって生じた財産上の損害を是正することです。

財産分与の対象となる財産には、夫婦が共同で所有する財産が含まれます。具体的には、不動産、預金、株式、車などが挙げられます。また、夫婦が共同で借り入れた借金も財産分与の対象となります。

一方、財産分与の対象とならない財産には、個人名義の財産があります。例えば、夫婦が別々に所有する不動産や預金、個人的な贈与や相続によって得た財産、および、個人的な労働によって得た報酬などです。

離婚における財産分与は、夫婦が合意することが望ましいです。しかし、合意ができない場合には、裁判所によって分配されます。その際には、財産の種類や状況、および、夫婦双方の収入や財産の額などが考慮されます。

財産分与を行うためには、まずは離婚の申立てを行う必要があります。離婚の申立ては、家庭裁判所に提出することが必要です。その際には、離婚原因や財産分与に関する希望などを記載する必要があります。

次に、離婚が成立した場合には、財産分与の手続きが行われます。まずは、夫婦が共同で所有する財産を明らかにする必要があります。その後、財産を評価し、財産の分配比率を決定します。分配比率は、財産の種類や状況、夫婦双方の収入や財産の額などを考慮して決定されます。

財産分与の手続きを行う際には、弁護士の支援を受けることが望ましいです。弁護士が適切なアドバイスを行い、スムーズな手続きを進めることができます。

財産を処分されないために注意すべき

離婚手続き中には、財産を勝手に処分されないように注意が必要です。特に、共有財産については、夫婦の双方が同意しなければ財産を処分することはできません。

財産が現金や預金、株式などの場合には、取引履歴を保存しておくことが望ましいです。これらの証拠があれば、財産の処分が行われた場合には、証拠として利用することができます。

慰謝料について

離婚に際して、慰謝料を請求することができます。慰謝料は、配偶者による不倫や暴力、家庭内の問題により、被害を受けた側に支払われる金銭です。

慰謝料の相場は、被害の程度や配偶者の収入などによって異なりますが、100万円から500万円程度が一般的とされています。

また、慰謝料を請求するためには、以下の条件が必要です。

  • 配偶者による不倫や暴力、家庭内の問題によって被害を受けたことが明らかであること
  • 上記原因で離婚したことが明らかであること
  • 配偶者が有財産者であり、自己の財産から慰謝料を支払えると判断されること
  • 配偶者の行為には故意または過失があること
  • 配偶者の行為によって、被害者の権利が侵害されたこと

また、慰謝料は離婚手続きの一環として請求することができます。離婚が成立する前に慰謝料を請求することもできますが、離婚が成立した後に請求することも可能です。

なお、慰謝料の額は裁判所が決定することが一般的です。ただし、裁判所によって判断が異なることがあるため、弁護士に相談することをおすすめします。

養育費について

養育費は、離婚後子どもを養育するために支払われる費用です。養育費は、子どもの年齢や学校などの状況によって異なるため、相場は一概には言えません。しかし、一般的には、子ども1人あたり月額2〜6万円程度が相場とされています。

養育費の決め方は、まず両親が話し合いを行い、合意に達した場合はそれをもとに決めます。合意に達しない場合は、裁判所が決定することになります。裁判所は、子どもの年齢や学校などの状況、両親の収入や財産などを考慮して、適切な養育費を決定します。

支払いが遅延した場合

支払いが遅延した場合は、まずは話し合いを行い、解決を図ることが望ましいです。もし話し合いで解決できない場合は、弁護士を通じて催促することもできます。

遅延した場合は、遅延損害金が発生することもあります。遅延損害金は、支払いが遅れた期間に応じて計算されるもので、利率は年率3%となっています。

養育費は、子どもの生活費、医療費、教育費などを賄うために重要な費用です。そのため、支払いが遅延することは子どもや受け取る側にとって大変困難なことです。支払いが遅れた場合は、できるだけ早く解決することが望ましいです。

それでも支払いが滞る場合は、裁判所の強制執行を申し立てることが可能です。強制執行を申し立てると、裁判所が差し押さえや強制執行命令を出すことによって、支払いを受け取ることができます。

保険について(生命保険や自動車保険、こどもの保険)

離婚をした場合、保険の手続きについて注意が必要です。保険に関する手続きが適切に行われていないと、損害が発生する可能性があります。以下に、離婚をした場合の生命保険、自動車保険、こどもの保険について詳しくまとめました。

生命保険について

離婚をした場合、生命保険の受取人を変更する必要があります。受取人を元配偶者にしている場合は、変更しなければなりません。

もし受取人を変更する手続きを行わなかった場合、保険金が元配偶者に支払われてしまう可能性があります。受取人を変更する手続きは、保険会社に直接問い合わせるか、保険証券に記載された手続き方法に従って行ってください。

また、離婚をした場合に保険契約を解約する場合もあるでしょう。契約解除には手数料が発生する場合があるため、注意が必要です。保険契約を解約する場合は、保険会社に問い合わせて手続きを行ってください。

自動車保険について

離婚をした場合、共有していた車両の名義変更が必要です。名義変更手続きを行う前に、自動車保険の契約者がどちらかを確認してください。契約者側が変わった場合、保険の更新手続きが必要です。

また、自動車保険には複数のプランがあります。例えば、車両保険や自賠責保険などがあります。離婚をした場合、車両の名義変更に伴って保険のプラン変更が必要になる場合があります。保険プランに関する詳細は、保険会社に問い合わせて確認してください。

こどもの保険料について

離婚をした場合、子どもの保険料の支払いを誰が行うかが問題となります。裁判所の判決や協議書に明記されている場合はその通りに従ってください。また、子どもの保険に関する契約者や被保険者の変更が必要な場合は、保険会社や自治体の役所に直接問い合わせて手続きを行ってください。

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