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「コモンレール」の特徴は?コモンレールの仕組みや構造を解説

「コモンレール」というのは自動車に関連する仕組みではありますが、実際にどういうものかわからない、もっとよく知りたいという方も多くいます。車に関してほとんど知識がなくてもわかるように、詳しく解説していくので詳しく知ってみたいと感じている方はぜひ、この記事を参考にしてみてください。

コモンレールとは

そもそもコモンレールとは自動車に組み込まれているシステムの一つであり、主にディーゼルエンジンで使われています。噴射燃料装置の一種であり、もともとはガソリンエンジンに使われる装置の技術を応用したものです。

既存のシステムをそのまま転用することは非常に困難であり、技術的にはほぼできないとされていたものの、もしも利用することができれば大きな進歩になると期待もされていました。そのためあきらめることなく研究は続けられ、大きく使い勝手は悪いものの技術として確立されるまでに至ったのです。

既存のシステムは転用することはできなくても参考にし、応用することができたのが大きな影響を与えたことは間違いありません。使用されていた仕組みを全く違うものにすることで、超高圧にも耐えられる全く構造の違ったシステムを作り出すことに成功しました。

この技術の何が肝要な部分だったのかといえば、「燃焼を制御することができる」という仕組みです。こののシステムが組み込めたことにより、ディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させることができました。

コモンレールの特徴

ガソリンエンジンとは違った構造をしているために、非常に難しい研究ではありましたがその成功には多くの期待と興味が寄せられました。たとえばディーゼルエンジン特有の騒音や黒い煙など、たとえどれほど車体に興味があったとしてもためらうには十分な理由であるといえるでしょう。

実際にディーゼルエンジンの吐き出す黒い煙は、有害物質を多く含んでいることを理由に、興味はあってもなかなか検討まではいかないということもあるでしょう。とくに環境に対して関心があれば、なおさらです。

もしも黒い煙が出ず、音も静かになるならぜひ乗ってみたいと感じている方も多くいます。そのため、黒い煙が排気されない排気ガスのクリーン化という特徴を持つコモンレールは業界から歓迎されました。

もちろんそれだけではなく、性能向上にも大きく貢献しています。燃焼を自在に制御できる機構によって、これまでにない静音性と走行性を手に入れました。そのため、多くの自動車に採用されるのにそれほど時間を必要とはしませんでした。

コモンレールの役割

もともと使われていた噴射機能には限界があり、システム上のデメリットもいくつか存在していました。それらのデメリットを克服するべくさまざまな企業において研究は続けられ、性能向上や制御系統を確立するためでもあったため業界からは大きく注目されていました。

つまり期待され開発された大切な役割とは、噴射を制御することです。噴射システムにおいては分配型燃料ポンプ式というシステムを採用していたこともあり、駆動力をエンジンから都合していたために燃料を噴射するための自由度が低いというのが悩みでした。

もっとも厄介であった点は、噴射圧力がエンジンの回転数によっていたので毎回変わってしまうという部分です。これでは思ったように噴射を行うことができないのも、理解できるというものです。

これらの問題点をすべて解決しディーゼルエンジンの性能をこれまで以上に引き出すことが、求められている役割といえます。コモンレールは開発されてから何度も改良を繰り返されてきましたが、一貫して求められている役割をきちんと果たしています。

コモンレールの仕組みや構造は?

コモンレールは、どのような仕組みや構造をしているのかをご存じでしょうか。もともと技術的に非常に難しく、構想はあっても実現することは不可とされてきたコモンレールです。開発当初はエアーコンプレッサーがなくては稼働することもできなかったシステムではありますが、それでも仕組みや構造などは開発当初を見ても大きく変わったわけではありません。

何度も改良を重ねられてきたコモンレールの仕組みや構造をしっかり理解しておくことで、よりディーゼルエンジンへの理解を深めることもできるでしょう。まずは、構造や仕組みを理解して、どのような部分から成り立っているのかを詳しく見ていきましょう。

コモンレールの構造
①ポンプ
②コモンレール
③インジェクタ

どれ一つとして欠けてしまえばコモンレール自体が作動しなくなってしまう重要部分ではありますが、この中でもインジェクタはいくつかの種類があるので詳しく見ていきましょう。

ポンプ

コモンレールの構造について、まずはポンプから見ていきましょう。単にポンプと呼ばれることもありますが、正確には「サプライポンプ」と呼ばれるシステムのことです。このポンプには、燃料を高圧にして送り届けるという重要な役割があります。

コモンレールが登場する前の噴射方式であればエンジンの回転数にに依存していたためにエンジンの回転数が低い場合は噴射もしづらかったものですが、コモンレールの一部である「サプライポンプ」であれば常に同じ圧力を保つことができます。

つまりポンプなくして、コモンレールを構成することはできません。構造的にみて、非常に重要な部分であるといえるでしょう。

コモンレール

そもそも「コモンレール」とはシステム全体をさす言葉であると同時に、構造の一部を示すものでもあります。構造の中ではどの部分を指すかといえば、燃料を蓄えるための容器を指すものです。

つまりコモンレールとは一種の蓄圧機であり、管状になっている丈夫な金属のパイプでできています。その言葉は、全気筒に共通のレールという意味から来ています。使われている金属は非常に強靭なものであり、高圧の燃料を蓄えることに特化しています。

もちろんサプライポンプを制御することもでき、レール圧力を検出するためのセンサーも組み込まれています。

インジェクタ

構造において重要な部分である、三つめはインジェクタです。コモンレールに使われているのは、電磁式インジェクタです。

インジェクタの主な役割は、噴射を制御するというものです。この制御システムを使うことでサプライポンプに制御装置を組み込む必要がなく、負荷を減らすことができます。

さらにインジェクタはいくつかの種類があり、改良されるごとにコモンレールも大きく進化してきました。その一つが、ピエゾインジェクタと呼ばれるものです。

もともとインジェクタというシステムは、ソレノイドと呼ばれる電磁石に付属する電磁弁が大きな役割を果たしています。そのため、ソレノイドの代用品として開発されたピエゾインジェクタは、圧電素子と呼ばれるピエゾ素子を利用していますが、ピエゾ素子はかつて自動車部品としても使用されていました。

コモンレールに進化をもたらしたのは、自動車業界にとってはなじみがある物質であったといえます。このピエゾ素子はソレノイドの約2倍もの制御スピードを実現し、更なる性能向上に貢献しています。

ピエゾインジェクタは非常に優秀でしたが、コモンレールに使用されるインジェクタはさらに大きな一歩を踏み出しました。それがポストピエゾインジェクタです。まだ開発段階にあるそれは、噴射効率をやみくもに上げるだけでなく燃料圧力も上げてバランスよく制御できるようにするために技術者による研究がされています。

噴射の種類とプログラム

コモンレールには、5つの噴射が利用されていることはご存じでしょうか。まずは噴射の種類を知っておきましょう。

噴射の種類
①パイロット噴射
②プレ噴射
③メイン噴射
④アフター噴射
⑤ポスト噴射

これらをうまく組み合わせてタイミングよく利用することにより、これまでにない性能を引き出すことに成功しました。より詳しく理解するためにも、それぞれの噴射が果たす役割を知っておきましょう。

パイロット噴射

5つあるうちの初めに利用されるパイロット噴射とは、着火の前に燃料と空気を混ぜ合わせるシステムのことです。パイロット噴射があることで、うまく着火することができます。

プレ噴射

二つ目のプレ噴射とは、急激な燃焼になってはいけないので、それを防ぐために燃料を少しだけ噴射して火種を作るための噴射です。火種は大きすぎても小さすぎてもうまくいかないので、非常に重要な役割であるといえるでしょう。

メイン噴射

三つ目のメイン噴射は、噴射時の出力を得るためにあるものです。この噴射がなければ必要な出力を得ることができない、システムの中でも中核を担うとても大切なものです。

アフター噴射

四つ目のアフター噴射は、燃え残った燃料をすべて燃やし尽くすためのものです。メイン噴射では完全に燃やしきれず、どうしても燃料が燃え残ってしまうために設定されています。この噴射があるからこそ、ディーゼルエンジンの特徴でもあった黒い煙の発生を防ぐことができます。

ポスト噴射

最後に必要とされるのはポスト噴射と呼ばれるもので、この噴射があることにより排気管へ燃料を送ることができます。

排気管の構造を見ると、最後の噴射が必要とされる理由が見えてきます。排気管には、フィルターが付けられています。そのフィルターが排気管から出るであろうスス汚れをとどめていてくれています。そのため、放っておくとフィルターにはスス汚れがどんどんたまっていってしまいます。

あまりにたまってしまうとフィルターが目詰まりを起こして非常に危険なことになるため、最後に噴射することによってフィルターに残ったスス汚れも燃やしてしまう必要があります。

噴射プログラムとは

噴射プログラムというのは、燃焼の過程をきめ細かく制御するために組まれているシステムのことです。最適なタイミングで噴射を行い、完全な燃焼を作り出すことのあります。緻密なプログラムを組んでおくこととシステムがそれを忠実に実行することで、噴射の数が多くても制御できています。これこそが、性能の大幅な向上ができた理由です。

ディーゼルエンジンのデメリット

そもそもディーゼルエンジンには、いくつかのデメリットが存在していました。何より大きなデメリットは、やはり騒音でしょう。ディーゼルエンジンはその噴射の特性上非常に大きな音がするので、住宅街などで走ると迷惑になってしまうこともありました。

また、ディーゼルエンジンといえば黒い煙、と思い浮かべる方も多いように、その有害な煙もまたデメリットといえます。とくに世の中が二酸化炭素の排出量削減や排気ガス削減などに傾いてきたときに、ガソリンエンジンよりも黒く有害な排気ガスを出すディーゼルエンジンは、そのままでは取り残されてしまいます。

これらのデメリットに目をつぶってでもやはりディーゼルエンジンがいいという方も多くいますが、改善できるのであればぜひディーゼルエンジン搭載の自動車に乗ってみたいのに、という方も多くいることでしょう。

コモンレールを使うことによるメリット

世の中がエコに傾きつつある中で開発されたのが、コモンレールです。静音性を上げて特有の騒音を抑えることで、「音がうるさい」というデメリットを解消できました。

もちろんそれだけではなく、悩みの種だった排気ガスもまたコモンレールを利用することによりかなり軽減されました。つまり環境を考えた排気ガスクリーン化を目指し、成功したというわけです。

噴射方式を分割し、5つにすることによって排気ガス中に有毒物質を含む原因である黒いススは外へ出る前にフィルターで遮断し、最後まで燃やすことができるようになったからです。排気ガスでもある黒い煙の排出が劇的に軽減されたことにより、煙の中に含まれる有毒ガスに関する懸念もなくなりました。

クリーンディーゼル

環境に優しく、エコを考えたディーゼルエンジンはクリーンディーゼルと呼ばれており、従来のディーゼルエンジンを駆逐する勢いで大きくシェアを拡大しました。もちろんエコなだけでなく走行性に優れ、性能にも大幅な向上が認められています。

とはいえその分車体価格は従来のディーゼルエンジンに比べると高めで、コモンレールを搭載する分車体全体の重量は増えています。決してメリットばかりではありませんがそのことを差し引いても素晴らしい車体が多く、海外ではエコカーとして扱われている車体もあるといえばどれほど環境に配慮しているのかがよくわかるでしょう。

進化するコモンレールシステム

まだまだ改良の余地が見出されているシステムとはいえ、コモンレールは開発当初から多くの企業で採用されてきました。従来のエンジンと共存しつつ、多くのファンを魅了してきたのは、ひとえにこのシステムのおかげでディーゼルエンジンの性能を大きく向上させたからだといえます。

いまだにさまざまな研究がおこなわれているコモンレールには、自動車業界も大いに注目しています。

まとめ

自動車製造の技術は年々向上していて、新しい技術もどんどん開発されて行っています。そのため、車について勉強しておくことで最新の技術にいち早く目を付けることもできるかもしれません。

この記事を参考に少しでも自動車の仕組みに興味が出てきたなら、ぜひ勉強していきましょう。とくにいざというときのためにも愛車の構造や仕組みについて知りたいという方も多くいるので、まずは初心者にもわかりやすい部分からどんどん学んで自動車に関する知識を深めていってください。