こんにちは、ゆえです。
先日こんなツイートをしました。
リソースは人間の脳の中にあるので、資本主義の原理である「お金がお金を生む」システムが崩れました。これまでのように、物理的なリソース(土地とか)を囲い込むことで利潤を得る必要が無く、「個人の情報」がリソースになるので、スマホを使って情報で勝負する方が圧倒的に勝ちやすい。
— ゆえ (@yue_ooo000ooo) January 18, 2020
リソースは人間の脳の中にあるので、資本主義の原理である「お金がお金を生む」システムが崩れました。これまでのように、物理的なリソース(土地とか)を囲い込むことで利潤を得る必要が無く、「個人の情報」がリソースになるので、スマホを使って情報で勝負する方が圧倒的に勝ちやすい。
情報が価値を生む時代です。
今はYOUTUBEがバブルだと思っています。
数年前にはここまでユーチューバーの人気が出るとは思ってなかった方が多いと思います。
そして3年後ユーチューバーはどうなっているかわからない。
今回はIT革命と資本主義について。
しばしお付き合いください。
IT革命は資本主義をどう変えたのか
これからの世界で専門性の高さがなぜ重要になるかを理解するには、もっと大きな枠組みの話を理解する必要があるでしょう。
この世界を覆っている資本主義という枠組みのことです。
その性質はIT化によって大きく変わりました。
一言で言うなら資本主義とはお金がお金を生むシステムのことです。
これは富を貯められるようになった時から始まったと言えます。
人間が狩猟採集生活をしていた時は、その日の食料をその日に手に入れるだけで精一杯なので富は蓄積できませんでした。
でも農耕が始まると、例えば麦を貯められるようになります。
とはいえ、皆が同じように貯められるわけではありません。
村の権力者のようなところに麦が貯まります。
これが資本家の原型です。
麦は麦から生まれるので、持つものと持たざる者の間で貧困の差がどんどん広がります。
やがて麦は貨幣に置き換わり、麦が麦を生むようにお金がお金を生み出す仕組みが出来上がりました。
資本家は労働者や設備や仕入れなどにお金を投資して事業を行い、そこから生まれる利潤を手にします。
そのお金を再投資すればまた利潤が生まれるわけです。
そこで労働者が搾取されていることを批判したのが資本論で有名なカールマルクスでした。
お金がお金を生むシステムが続く以上
- 資本家階級
- 労働者階級
こちらはいつまでたっても立場が逆転しません。
ところが1990年代に入るとこの資本主義の前提が大きく変わり始めました。
きっかけとなったのがやはりインターネットの登場です。
ITバブルやネオヒルズ族
それまで隔絶していた国や地域を越えて情報がグローバルに行き交う世界になったことで、いわゆるIT企業が資本主義社会の一大勢力として台頭してきました。
秒速で億を稼ぐ男やホリエモンもこの時代ですね。
情報で商売をするIT企業には、資本主義における企業と根本的に違う特徴がありました。
IT企業には物理的なリソース資源がほとんど必要ありません。
それまでの資本家は土地や工場や原材料や製品といった物理的なリソースを囲い込むことで利潤を得ていました。
それを囲い込むために資本が必要だからこそ、持たざる者は労働者階級のままでいなければならなかったのです。
しかし物理的なリソースを囲い込む必要がないのであればそもそも資本が必要ありません。
IT企業に必要な手法はただ一つ人間だけでした。
リソースは人間の脳の中にしかない
IT化は革命と呼んでいいほどの変化を資本主義にもたらしました。
親がお金持ちならそれを丸ごと相続する子もお金持ちです。
だから資本家の子は資本家になりました。
一方で今のIT企業は物理的なリソースが不要なので、親がお金持ちのでも子は能力的な資本家にはなりません。
必要な資本は能力の高い人間であってこれは継承されるのではなく、遺伝子と教育の結果で比較的どこからともなくランダムにでてきます。
つまり麦をためなくても資本家階級になることができます。
これによってマルクスが考えた階級闘争の大前提がある部分で崩れされました。
その意味でIT革命は革命だったわけです。
もちろん社会が全てITで成り立っているわけではないので、物理的リソースを囲い込む従来の資本家が生きていけなくなることはないでしょう。
物理的な資本を持っていれば食べて行くことはできます。
しかしIT化した世界ではそういった、固定された物理的リソースで勝負するより情報で勝負する方が圧倒的に勝ちやすい。
物理的リソースがないぶんスピードが速いです。
それに気がついて次々とIT企業を生み出したのがシリコンバレーの人々でした。
ではお金にとって変わった能力とは一体どのようなものでしょうか。
僕たちの周りにはすでに膨大な情報があり、それだけで十分お腹いっぱいにできます。
でも、もはや栄養のない情報だけでは満足できません。
自分にとって価値のある美味しい肉や野菜のような情報を与え続けていかないと、人々が満足しない世界になっています。
そしてそのためのリソースは人間の脳みその中、もしくは今まで育んできた教育の中にしかありません。
誰にでも作り出せる情報の中には価値のあるリソースはありません。
その人にしかわかららない暗黙知や、専門知識にリソースとしての値打ちがあります。
それをどれだけ資本として取り込むことができるか。
ITの世界ではそこが勝負になっています。